瑠璃色の空と海

~HappyとLuckyのふたりごと~

亡き母の言葉

「絵を描いてね」

 

母が亡くなる時、私に話したこと。

 

小さい頃 生まれ育った家の庭で

母と一緒に花壇の芝桜の絵を描いた

 

可愛いお花

緑の葉っぱ 

空の青

シャボン玉

ちょうちょにてんとう虫

 

いろんな色が、たくさん!

 

絵を描くのが好きになった

 

 

母は手を動かす天才だ

器用に何でも作ってくれた

 

私の洋服

お人形さん

ぬいぐるみ

アップルパイに

クロワッサン

パウンドケーキ

 

…結婚式のウェディングドレスも

作ってくれたんだよ…

 

母の魔法の手。

 

 

私は何かを作ってる母をみながら

塗り絵をしたり、絵を描いたり

文才はないけど

詩にしたりするのも好きで

新聞に投稿して掲載されたりね

 

初めてお小遣いで買った

『キャンディキャンディ』。

 

私の世界は少女漫画に染まって

夢は「漫画家」や「絵本作家」って

思ってた時期もあった

 

絵を描くのが大好きだけど

そんな人達が集まると

私はただの凡人だな、

と心から感じて 絵から離れた。

 

挫折感をたっぷり味わって。

 

母が病になり 最期の夢は

母のものづくりの仲間達と展覧会を開く事。

私も久しぶりに絵を描いた

 

私の絵には基礎がない

好きな画家さんを真似して

描いたつもりになってるだけ

 

そんな私が母の死を目の前に

私にしては珍しい組み合わせの色を

手にして画用紙に向き合う

 

どんどん感情が出てくる

 

初めて、怒ってるような

この気持ちは出しちゃいけないって

おしこめているカケラが

出たような表情の子。

 

でも

不思議にこの子、展覧会で

人気だったんだよね

凄く複雑な気持ちで

私はこの子を

早く隠したかったんだ。

 

 

展覧会を終え、

逝くまえに母は、

私の描く絵が好きだって

最後に言ってくれた

 

「絵を描いてね

 何かを作り出す

 思いを表現する気持ち

 忘れないで」

 

 

このブログを始めるまで

私は 絵を描きたいって 

私を出そうって

感覚は湧いてこなかった

 

でもね

 

「あの子」を

展覧会以来かな、久しぶりに出して

マジマジと見たんだ。

 

子の親になって

いろんな思いと向き合ってきて

私の中が書き換わるような気がする

 

不思議だ

穏やかにあの時を思い出してる

 

怒ったり泣いたり悲しんだり

そんな負の感情に蓋をして

見ないようにしていた自分に

今の私は メッセージを受け取った

 

 

1番 ワクワクしていたのは何だろう

私は 周りの目や評価、時間ばかり気にして

 

大切な 私の気持ち を

1番 大事に して 良いんだ

 

自分に正直で

自分が楽しくて

 

それでいいじゃん!

 

押し込めていた私はお終い。

 

絵を描いてみる?

言葉にのせてみる?

どんな思いが 出てくるんだろう

 

自分の心に寄り添って

あの時みたいに 己が出て来たら 

私は楽になるかもしれないな

 

下手くそでも、それが私だし

マネして上手に描いて

満足するのも 私だし

 

怖がってドキドキするのと

ワクワクする気持ちと重なって

尻込みしてビビってるけど

確かに ビビビッ と 感じてる

 

 

お母さん

ありがとう

 

画:Happy