朝の散歩道に
素敵なお花を咲かせている
お宅がある。
二階の窓辺に赤いゼラニウム。
窓の左右に白薔薇とピンクの薔薇。
一階には青紫の小さい小花が沢山。
春から秋は、ずっと咲き続けているの。
お花の手入れをしている時間に
通る時には、挨拶をしている。
とても優しい笑顔をして下さって
一言二言、言葉を交わすと、
朝からあたたかい気持ちになる。
とても辛い日が続いて、
涙ぐんで
自分と向き合っていた時期は
お花と共に笑顔に救われる気がした。
そんなある日。
いつも通り「おはようございます」と
私から声かけをした。
そうしたら、思いがけない言葉を頂いた。
「私が見てきた中で一番の笑顔をされますね」
泣きそうになって、頭を下げて
散歩の続きをする。
目に涙をいっぱいにしながら
胸が苦しくてたまらない。
こんなに毎日自分と向き合って
母や空、雲、太陽に話しかけて
張り裂けそうな心を
抱えて歩いている。
そんなに優しい言葉を
かけられるような
自分じゃないのに。
癒されたくて
このお花を見たくて
通る道。
醜い心を包んでくれた言葉。
そしてある漫画のラストシーンが
思い浮かんだ。
"おチビちゃん 泣いてる顔より
笑った顔のほうが かわいいよ"
私の大好きな漫画。
「キャンディ キャンディ」
笑って 笑って
笑った顔が ステキだよ
Hopeの誕生日の数字の並木道。
略して"Hopeの並木道" を歩きながら
木々たちがそんな言葉を
かけてくれているような気がして
堪えていた涙が流れてしまう。
笑ってね
笑ってね
